質問9.『法定後見人』は何をやってくれるの
『後見人』は何をやってくれるの
質問8で、『法定後見制度』について説明致しました。
その中で、簡単にですが、『法定後見人』が本人のためにすることを書きました。↓
「後見人等」は、本人の「財産管理」と「身上監護」をします。
「財産管理」では、毎月の光熱費の支払いや年金など入金の確認、不動産権利証や実印、印鑑登録カードの保管、又、本人が家に住んでいない場合は庭や家の様子を見に行くなどして本人の財産を適正に管理し、本人の利益を保護します。
「身上監護」では、介護施設への入所の手続きや入退院の手続き、福祉サービスの利用手続きなど、本人の意思を尊重しつつ安定した生活をおくることができるよう手伝わせていただきます。「手続き」という字が多いように、直接お買い物に行ったりお料理をしたりはしません。
上記に書かれていることは、本人の普段の生活の中でのことですが、もう少し細かく書くと…
まず『後見人』が家庭裁判所から選任されると、最初に本人の財産の調査をして、家庭裁判所へ『初回報告』書類を提出します。
そして、一年に一度家庭裁判所に『定期報告』もします。
ここで、この一年間で本人の生活の変化や定期収入・定期支出の変化、10万円を超えるような収入や支出があったかを報告書に記入します。証拠となる領収書なども添付します。
ですので、後見人としての活動記録やレシート類は、きちんと取っておかなければいけません。
もし、本人が施設に入るために、本人の居住用住宅を売却する(賃貸の場合は解約する)場合は、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
他にも、本人に代わって「遺産分割協議」に参加したり、相続放棄の手続きをする必要がある場合もあります。家庭裁判所の許可を得て、本人の火葬や埋葬の契約をすることもあります。
一人の人をサポートすることは大変です。
『法定後見人』であっても「報酬」はもらえます。
ただし勝手に本人の口座から「これぐらいかな〜」と引き出してはいけません。
『定期報告』の時に「報酬付与申立書」を一緒に提出し、家庭裁判所が本人の財産状況や事務内容を見て報酬額を決定します。
もちろん、後見人が家族だからもらえない、ということはありません。