質問12.『公正証書遺言』公証人手数料について
『公正証書遺言』公証人手数料について
公正証書遺言作成には、公証人が遺言者の口述をもとに作成しますので、必ず公証人への手数料がかかります。
この手数料は、『公証人手数料令 第9条』の別表に記載されている金額になります。なので公証人が自由に決めているものではありません。この他に加算される金額もあります。これに関しては、表の下で説明致します。
まず手数料は「目的の価額」が基準となります。
「目的の価額」とは、遺言により相続させ又は遺贈する財産の価額です。
注意しなければならないのは、財産の価額が3000万円だから、「目的の価額」の3000万円の金額(下の表をご覧いただくと、手数料は23,000円となっています)となるわけではなく、各相続人又は各受遺者ごとに、相続させ又は遺贈する目的価額を出し、それぞれの手数料の合計額が、その証書の手数料の額となります。
例えば、財産の価額が3000万円であるとして、この絵のように相続させたい人が3人いて、3人に仲良く1,000万円ずつ相続させることにします。1人の財産の価額が1,000万円なので手数料は17,000円になります(下記表をご覧ください)。
他の2人も同じ価額なので、手数料は17,000円+17,000円+17,000円で、51,000円となります。(財産の価額が1億円以内であるので、この他に1万1000円の加算があります)
目的の価額 | 手数料 |
---|---|
100万円以下のもの | 5,000円 |
100万円を超え、200万円以下のもの | 7,000円 |
200万円を超え、500万円以下のもの | 11,000円 |
500万円を超え、1,000万円以下のもの | 17,000円 |
1,000万円を超え、3,000万円以下のもの | 23,000円 |
3,000万円を超え、5,000万円以下のもの | 29,000円 |
5,000万円を超え、1億円以下のもの | 43,000円 |
1億円を超え、3億円以下のもの | 43,000円に超過額5,000万円までごとに13,000円を加算した額 |
3億円を超え、10億円以下のもの | 95,000円に超過額5,000万円までごとに11,000円を加算した額 |
10億円を超えるもの | 249,000円に超過額5,000万円までごとに8,000円を加算した額 |
このほかに加算されるもの
内容・金額で加算
・遺言加算 1通の遺言公正証書における目的価額の合計額が1億円までの場合 1万1000円を加算
・祭祀の主宰者の指定をする場合 1万1000円を加算
証書の枚数で加算
・法務省令で定める枚数の計算方法により4枚(法務省令で定める横書の証書にあっては、3枚)を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます(手数料令25条)。
公証人に出張してもらう場合に加算
・公証人が出張して遺言公正証書を作成しますが、この場合の手数料は、遺言加算を除いた目的価額による手数料額の1.5倍が基本手数料となり、これに、遺言加算手数料を加えます。この他に、旅費(実費)、日当(1日2万円、4時間まで1万円)が必要
公正証書遺言作成をする場合、公証人に見積りを出していただくにしても、目的価額や相続(遺贈)させる人数、祭祀主宰者を指定の有無など、内容が具体的にならないと出せないということがわかります。
当事務所の「公正証書遺言作成サポート」では、財産をどのように分けたらよいのか迷っている方のご相談、公証人との作成についての打合せ、公正証書遺言で必ず必要となる証人2名の立会いも含めておりますのでご利用下さい。