質問6(亡くなったらあげるって遺言に書いてあったのに)
事例6 亡くなったらあげるって遺言に書いてあったのに
ご相談者は、50代の男性(Aさん)です。
生前、伯母が「私のことをいつも気にかけてくれてありがとう。この家は、あなた(Aさん)にあげるわね。」と言って、実際伯母が書いた遺言書を見せてくれました。
それから10年以上、私は仕事で離れた所で暮らしていたため伯母とは疎遠になっていました。
先日その伯母が亡くなり、相続の話しが出たのですが、そこには私が見た遺言書とは別の公正証書遺言が出てきました。
更にそこには、伯母の家は世話をしてくれたBさんへ遺贈すると書かれていました。
遺言書が2通ってことはあるのでしょうか。
伯母の家は、結局誰がもらうことになるのですか?
遺言者は、いつでも遺言書の全部や一部の撤回をすることができます。
又、前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。
今回の件では、伯母は自筆証書遺言(前の遺言)を公正証書遺言(後の遺言)で、Aさんへの遺贈を撤回し、Bさんへ遺贈することとしました。もちろん遺言の撤回は、同じ自筆証書遺言でしなければならないものではありませんし、公正証書遺言であれば、ご本人の意思で作成されたものだと思われますので、伯母の家はBさんへ遺贈されることになります。